TOP > スポンサー広告 >  ■ カブトムシ (031)TOP > 未分類 >  ■ カブトムシ (031)

スポンサーサイト --.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 ■ カブトムシ (031) 2009.07.26

 

 太陽が額をじりじり灼くような日だった。
 できるだけ影を選んで仕事した。
 影がなくなると、フレアを浴びる宇宙船飛行士のように気合いを入れた。
 昼はコナラの木陰で弁当にした。
 蟻が舗路を忙しげに歩き回っている。
 それが蜃気楼のように見えた。
 ヒグラシが啼く頃、おアシをいただいて帰った。
 
 家に帰って道具を片づけていると、脇を流れる用水路の縁にカブトムシがいた。
 サナギの時に傷ついたのか、翅が萎縮したままだった。
 これでは自由に飛び回ったり、交尾の相手を見つけたりは出来ないだろう。
 陰気なところで動かないので、死んでいるのかと思った。
 足先でつついたら怒ったように動いた。
 
 子どもの頃、近所におが屑を山積みにしている空き地があった。
 夏の夕暮れ、そのおが屑の山から、次々にカブトムシが這い出してきた。
 これから世界は祝祭が始まるようだった。
 小学生時分の一番楽しい思い出はこのことだったような気がする。
  
カブトムシ

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
«  | ホーム |  »
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。