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 ■ 猿と月食 (926) 2011.12.15

 
 
 飯舘村から南相馬へ下りる山のカーブに猿の集団がいた。
 こちらを嘲るように、路傍のあちこちで、思い思いにくつろいでいた。
 猿は毛艶が良く、今年の食うことには恵まれたようだった。
 人間どもがセシウムだ、ベクレルだとうろたえていた時、
 猿は山の恵みをたらふくいただいていたのだ。

 あっちの町はカネが下りただの、
 あいつは補償金で遊んで暮らしているだの、
 被災者同士で汲々、啀(いが)み合い、
 虚無と無力、
 どんよりした空気。
  
 猿が嗤うよ!
 イノシシも嗤いながら走っているよ。
 今年は猟師も山に入らないそうだ。
  
 自分の生活が一番大事。
 けれど、震災直後の、
 あの、何かが革まる、何かが新しく生まれようとする、
 あの厳かな空気はどこへいった。

 日々積み重なる暮らしの時間は、
 昨日も今日も変わらぬ関係の牢獄、
 自分の生活が一番大事。
 
 けれど人間の、
 あのたくさんの神話はどこで生まれた。
 詩やうたや、あらゆる美しいものはどこで生まれた。
  
 猿が嗤うよ。
 イノシシも嗤いながら走っているよ。
 山はいつもより豊かだ。
 
 耕作放棄された圃場の上を食の月が煌々と。
 私は数万キロを行ったり来たり。
 月も地球も太陽も、
 孤独な速度で回ります。


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