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 ■ 芙蓉 (901) 2010.08.04

 
 久しぶりに仕事に復帰した妻と現場へ向かう道すがら、芙蓉の花が咲いている。
 芙蓉は白く儚げで真夏の強い日差しに幻のようだ。

 「もうお母さんに芙蓉の花の写真は送れなくなったんだ」と、妻は呟いた。
 妻は病床の母に携帯で季節の草花の写真を送り続けていた。

 それは早春のニリンソウであったり、カタクリであったり、初夏のマタタビの白い葉であったりした。
 住んでいる山里の季節の香りを送ることで、母を慰めようとしていた。

 だが、それもこれも終わってしまった。

 あれからヤマユリは腐(くた)れ、オニユリが咲き、ノウゼンカズラやムクゲが咲き誇る盛夏となった。

 そして、これらももうすぐ枯れ、次第に秋が色づき、また冷たい冬になるのだろう。
 この世は時だけが君臨し、とどまるものを許さない。

 存在は咲き、私たちは行き過ぎる。
 芙蓉は白く儚げで、真夏の強い日差しに非在のように立っている。
 

         ★


 (ツイッターまれに、まれにやっています↓)

  https://twitter.com/torasuke_neki
  
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